ウェブ会議を利用した審決取消訴訟について

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令和4年7月

  • ウェブ会議について
     現在、知財高裁では、Teamsというアプリケーションを利用して、インターネット回線を介して裁判所及び当事者が映像と音声の送受信により同時に通話をするとともに、文書ファイル等の送受信や編集がその場で可能な方法を用いて、争点及び証拠の整理の手続を行う審理(ウェブ会議)が行われています。裁判所は、事件の内容、代理人の有無等を考慮し、事件ごとにウェブ会議による手続を行うかどうかを判断します。
     ウェブ会議による手続の方法としては、双方の代理人等がウェブ会議機能を利用する方法(書面による準備手続)と一方の代理人等が裁判所に出頭して他方の代理人等がウェブ会議機能を利用する方法(弁論準備手続)があります。
  • 第1 審決取消訴訟(特許・実用新案)の進行について
     
     ウェブ会議を利用した審決取消訴訟(特許・実用新案)の基本的な進行は、次のとおりです。裁判体の判断により、これと異なる進行とすることもありますので、その場合には、当該裁判体の指示に従ってください。
  • 1.ウェブ会議による期日等の指定
     裁判所が相当と認める場合、第1回口頭弁論期日の前に、裁判所は、事件を書面による準備手続又は弁論準備手続に付した上、ウェブ会議による期日等を指定します。これに先立ち、裁判所は、当事者に対し、ウェブ会議の利用希望について照会をしますので、当事者は、希望の有無を回答してください。
     ウェブ会議を利用した手続が行われる場合、当事者は、裁判所からの指示に従い、必要な設定等を行ってください。
  • 2.ウェブ会議による期日等(第1回)に向けての当事者の準備
    (1) 原告
     ア 基本的書証及び証拠説明書の提出
     原告は、訴状提出後、裁判所の定める期限までに基本的書証(審決が引用又は例示した先行技術文献、審決が判断の中で言及した手続関係の書面、本件特許の明細書・特許請求の範囲・図面、特許訂正等がある場合における訂正審判・訂正請求書等、及び手続違反を争う場合における関係する手続書面をいいます。)及び証拠説明書を提出してください。
    (※)基本的書証として掲げたのは、一般的に必要と考えられるものです。個別の事案において、審決取消訴訟における争点と関連せず証拠調べの必要性のない書証を提出する必要はありません。
    (※)基本的書証の類型については、「審理要領・書式」の「4.書証・電磁データの提出について」の中の「第4 主な事件類型における基本的書証 」を参照してください。
    (※)書証の提出方法についてご不明な点があれば、事前に担当部にお問い合わせをお願いします。
  • イ 準備書面と基本的書証以外の証拠の提出
     原告は、遅くとも第1回のウェブ会議による期日等の10日前までに、基本的書証以外の必要な証拠及び審決(又は決定)に対する具体的な認否と取消事由を記載した準備書面を提出してください。原告は、取消事由の主張をこの書面で全て尽くすとともに、証拠もこの時点までに全て提出することになります。
    (※)準備書面が大部になる場合は、準備書面の冒頭に主張の骨子を記載するとともに、電磁データとして参考提出するWordファイルについて目次機能や見出し機能を活用してください。
  • (2) 被告
     被告は、訴状送達後、訴状に記載された請求の趣旨に対する答弁及び請求の原因の記載に対する認否を記載した答弁書を提出してください。
  • 3.ウェブ会議による期日等(第2回)に向けての当事者の準備
    (1) 被告
     被告は、ウェブ会議による期日等(第1回)において裁判所が定めた期限までに、原告主張の取消事由に対する反論を記載した準備書面並びに必要な証拠及び証拠説明書を提出してください。被告は、取消事由に対する反論をこの書面で全て尽くすとともに、証拠もこの時点までに全て提出することになります。
    (※)準備書面が大部になる場合は、準備書面の冒頭に主張の骨子を記載するとともに、電磁データとして参考提出するWordファイルについて目次機能又は見出し機能を活用してください。
  • (2) 原告
     原告は、被告による上記準備書面の提出を受けて、再反論すべき点及び主張として補足すべき点があれば、ウェブ会議による期日等(第1回)において裁判所が定めた期限までに、準備書面並びにこの再反論に関して新たに必要となった証拠及び証拠説明書を提出してください。
  • 4.ウェブ会議における期日等の審理
    (1) 審理の内容 
     主張内容を明確にして争点を整理するほか、書面提出期限の設定、技術説明会の実施の有無や実施する場合の準備等の進行スケジュールの調整をします。
     原則として、第2回のウェブ会議による期日等までに当事者の主張立証並びに争点及び証拠の整理を実質的に終了することになりますが、裁判所が必要と認めるときは、第3回以降のウェブ会議による期日等を指定し、主張立証を補充する機会を設けることもあります。
     裁判所は、主張立証並びに争点及び証拠の整理が実質的に終了した時点で、書面による準備手続又は弁論準備手続を終結し、第1回口頭弁論期日の予定日を告知します。
  • (2)審理の方法
     ウェブ会議による期日等においては、裁判所及び当事者が画面上で対面しながら口頭による議論をするほか、Teamsにあらかじめアップロードされたファイルを基に裁判所及び当事者が同じ画面を共有しながら議論を進めたり、被疑侵害品を画面で示しながら当事者が説明したり、あるいは、裁判所及び当事者がアップロードされているファイルを同時に編集してその場で合意事項を確認するなど、視覚を利用した迅速かつ効率的な争点及び証拠の整理手続が行われます。さらに、遠方に在住している専門委員がウェブ会議で技術説明会に参加することが可能であるため、期日等を円滑に調整等することができます。
     また、訴え提起後は、ウェブ会議による期日等以外にも、必要があればその都度、Teamsの機能を利用して求釈明をする等、Teamsを利用して機動的に争点整理等を進めることもできます。
     このように、ウェブ会議を利用した手続では、それぞれの事案に応じた柔軟かつ最適化された審理方法をとることが可能です。
  • 第2 審決取消訴訟(商標・意匠)の進行について

     審決取消訴訟(商標・意匠)については、ほとんどの事案で口頭弁論期日において手続を進めています。個別の事案に応じて、手続の進行が異なり、第1回口頭弁論期日の前にウェブ会議による期日等が実施されることもありますので、訴状提出後の担当部からの指示に従っていただくようお願いします。
     第1回口頭弁論期日の前にウェブ会議による期日等が実施されるのは、主張や証拠の整理・補充や求釈明の必要性がある場合等になります。この場合の、審理の方法は、審決取消訴訟(特許・実用新案)の3(2)と同様なものとなります。