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現 況

 知的財産高等裁判所(以下「知財高裁」といいます。)は,2005年(平成17年)4月1日に我が国の知的財産権に関する事件を専門的に扱う裁判所として設立され,大合議事件を取り扱う特別部と4つの部で構成されています。

1. 大合議事件

 知的財産権を巡る紛争は,重要な法律上の争点を含み,裁判所の判断が企業の経済活動及び我が国の産業経済に重大な影響を与える事案も少なくありません。知的財産権事件では,一定の信頼性のあるルール形成及び高裁レベルでの事実上の判断統一が要請され,その要請に応えるため,平成16年4月に,5人の裁判官から構成される合議体により審理及び裁判を行う制度(いわゆる大合議制度)が導入されました。今後とも,適切な事件を大合議事件として審理判断することにより,着実に実績を積み重ねていきたいと考えています。

2. 訴訟の運営改善

 訴訟運営の改善については,知財高裁が設置される以前から集中審理による運用が試みられていましたが,知財高裁の発足を機に,総事件数の約70%を占める特許・実用新案の審決取消訴訟の運営について更に検討を重ね,審決取消訴訟に関する審理要領「審決取消訴訟(特許・実用新案)の進行について」を作成し,これを本ウェブサイトに,各種書式例などと共に掲載しています。また,審決取消訴訟の手続や提出書類等に関し,「審決取消訴訟Q&A」を作成し,同様に,ウェブサイトに掲載しています。今後とも,適正かつ充実した審理を実現するために,訴訟の運営について更に工夫を重ねる所存です。

3. 裁判所調査官と専門委員

 昨今の科学技術の発達はめざましく,それに応じて高度に専門化・先端化された技術を含む事件が増加しています。知的財産権事件の審理,裁判に必要な技術的事項を調査し,裁判官を補佐するための制度である裁判所調査官制度は,既に50有余年の歴史を有し,その制度・運用は定着しています。さらに,日進月歩の技術進歩に的確に対応し,より信頼性,納得性の高い裁判を実現するために,知財高裁では,各専門分野の第一人者である学者,研究者,弁理士等の豊富な知見を有する専門家(専門委員)に訴訟手続への関与を求め,専門委員が,裁判官や当事者に対して,その専門的見地から,公平,中立なアドバイザーとして,争点となっている専門的技術について説明等を行う「専門委員制度」を積極的に活用し,事件の迅速かつ適正な解決を図っています。現在では,全国の優れた専門家約200名が専門委員として任命されています。毎年1回,専門委員実務研究会を開催し,裁判官も交えて,事件関与の在り方やその際の工夫などについて率直な意見交換を行っています。今後とも,専門委員制度の運用の更なる改善を図りつつ,この制度を積極的に活用していくこととしています。

4. 情報発信

 インターネットが普及し,企業活動の国際化が進んでいる昨今,とりわけ国境を越えて進歩・伝播する科学技術を取り扱う知的財産権分野においては,信頼性のあるルールを形成するにとどまらず,裁判情報等の司法に関する正確な情報を我が国内外に適時に発信し,説明責任を果たすことがますます重要になってきています。このため,知財高裁では,裁判官を国内外で開催される会議等に派遣するとともに,国内外の来訪者に対し知財高裁の概要や知的財産権訴訟を巡る現状等について説明を行っています。また,知財高裁の設立と同時に立ち上げた独自のウェブサイトにおいては,知財高裁の概要や統計などに関する情報を,日本語のほか,英語,ドイツ語,フランス語,中国語及び韓国語で発信するとともに,大合議事件の進行状況,研究会等の開催,諸外国からの知財高裁への来訪者など,知財高裁における主な出来事を「トピックス」欄において日本語と英語で紹介しています。大合議で判決を言い渡した事件は,判決全文及びその要旨を速やかに掲載するとともに,その他の終局(判決)事件についても,「裁判例検索」欄において,データベースで検索することができるようにしています。さらに,前記のとおり,審理要領や各種書式例など,訴訟事件の手続を進めるに当たって有用な情報や,裁判官が執筆した論文の紹介,裁判官が外国で行った講演の内容,専門委員制度の説明なども掲載しています。今後とも,ウェブサイトの内容の拡充を図り,皆様方に利用しやすいものとなるように努めていきますので,活用していただければ幸いです。

 知財高裁においては,個々の事件の適正,迅速な処理に努めるという司法の原点に思いをいたし,更に充実した裁判所をめざし,課題の一つ一つと向き合って着実に歩みを進めて参りたいと考えています。

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